毎年2月最終日曜日に行われる「いかづち不動ふどう大般若だいはんにゃ」は、江戸末期より続くお祭りです。

前夜、大般若経600巻(※1)の「転読会てんどくえ(※2)」を修法し、翌早朝、化粧をほどこした長襦袢姿の男衆(※3)が大般若経を収めた経箱を担ぎ、町内を駆け抜けながら各戸にお札を配り、無病息災を願い厄払いをする伝統行事です。

真蔵院でこの「大般若」が行われるようになったのは、江戸時代の末期、外国船が持ち込んだコレラ(伝染病)が日本列島に蔓延した時からで、当地では「大般若」の御利益で被害を被らなかったと言われています。

以来、「大般若」の信仰が高まり、現在まで受け継がれています。

昭和56年4月 江戸川区無形民俗文化財に指定されました。

※1 大般若経

西遊記で有名な中国の僧 玄奘(げんじょう)三蔵(さんぞう)三蔵法師(さんぞうほうし))が翻訳した、天下泰平・萬民豊楽の願を込めて読まれる600巻のお経

※2 転読会(てんどくえ)

経本を転回し、全巻を読誦(どくしょう)したものとする法要

※3 女装(化粧をほどこした長襦袢姿の男衆)のいわれ

昔、病床の妹の快復を願い、兄が妹の赤い長襦袢を羽織ってこの行事に参加したことが始まりだと言われている